オズの魔法の国の感想第6弾です。とりあえずこれでひと区切り付けます。
ピューロ版「オズ」は、原作の世界を下敷きにした、仲間(ななしのかかし、ブリキマン、弱虫のライオン)との旅や、異国(マンチキン国、エメラルド・シティ、東の国)の風景とを歌とダンスで楽しみつつ、ストーリーとしては、離ればなれになった家族のもとにキティが帰るまでを観るのが一番楽しいと思います。
ピューロランドのショーとしては長い40分の上演時間も、原作の「オズのまほうつかい」を念頭に置いて観るととても駆け足です。すでに書きましたが、原作の味わいは、登場人物それぞれがオズからもらおうと思っているものを、旅するうちに自分の力で手に入れていくことを描いた数々のエピソードにあると思います。ピューロ版の「オズの魔法の国」にはその過程がほとんど描かれていません。ですから「原作がどこまで再現されているか」という目で見ると残念に思うかもしれません。
しかし、家族と離ればなれになったキティの物語として観れば、そのような駆け足感はありません。私も初めて観たときは原作が念頭にあり、「どうしてオープニングに取って付けたような誕生パーティがあるんだろう?」と思いました。でもクライマックス直前のシーンでオズがキティに歌いかける「パパとママがいるから君は生まれた」ということばとのつながりに気づき、冒頭でキティとミミィの誕生を祝うことの重要性が理解できました。家族のつながりを象徴するパパからの誕生日プレゼント、それがオズの国では使えなくなってしまうこと、そしてオズや仲間たちの助けで無事に家族のもとへ帰ることなど、キティと家族のお話として観たときの「オズの魔法の国」は、起承転結がはっきりとした、まったくピューロランドらしい素敵なストーリーになっています。魔法の銀の靴を、原作とは違う「願いをかなえてくれる靴(ただし条件付き)」に変えてあるのも、このストーリーにかっちりとはめるための仕掛けだったわけですね。
などと、このブログを書くためにいろいろ考えてみて、ミュージカル映画の「オズの魔法使」では原作とどう折り合いを付けているのかに興味がわき、DVDを買ってきました。こちらも楽しんで観てみようと思います。メルヘンシアターにもまた観に行きますよ!
HELLO KITTY BLACK WONDERのブロガー招待には外れたようなので、ここに書けるかどうかはわかりません。諸国漫遊記もシナモンタウンも一回も入ったことがないダメゲストなもので。
ここまでお読みくださった方、どうもありがとうございました。