2009年4月23日木曜日

ハローキティとオズの魔法の国・その6


オズの魔法の国の感想第6弾です。とりあえずこれでひと区切り付けます。

ピューロ版「オズ」は、原作の世界を下敷きにした、仲間(ななしのかかし、ブリキマン、弱虫のライオン)との旅や、異国(マンチキン国、エメラルド・シティ、東の国)の風景とを歌とダンスで楽しみつつ、ストーリーとしては、離ればなれになった家族のもとにキティが帰るまでを観るのが一番楽しいと思います。

ピューロランドのショーとしては長い40分の上演時間も、原作の「オズのまほうつかい」を念頭に置いて観るととても駆け足です。すでに書きましたが、原作の味わいは、登場人物それぞれがオズからもらおうと思っているものを、旅するうちに自分の力で手に入れていくことを描いた数々のエピソードにあると思います。ピューロ版の「オズの魔法の国」にはその過程がほとんど描かれていません。ですから「原作がどこまで再現されているか」という目で見ると残念に思うかもしれません。

しかし、家族と離ればなれになったキティの物語として観れば、そのような駆け足感はありません。私も初めて観たときは原作が念頭にあり、「どうしてオープニングに取って付けたような誕生パーティがあるんだろう?」と思いました。でもクライマックス直前のシーンでオズがキティに歌いかける「パパとママがいるから君は生まれた」ということばとのつながりに気づき、冒頭でキティとミミィの誕生を祝うことの重要性が理解できました。家族のつながりを象徴するパパからの誕生日プレゼント、それがオズの国では使えなくなってしまうこと、そしてオズや仲間たちの助けで無事に家族のもとへ帰ることなど、キティと家族のお話として観たときの「オズの魔法の国」は、起承転結がはっきりとした、まったくピューロランドらしい素敵なストーリーになっています。魔法の銀の靴を、原作とは違う「願いをかなえてくれる靴(ただし条件付き)」に変えてあるのも、このストーリーにかっちりとはめるための仕掛けだったわけですね。

などと、このブログを書くためにいろいろ考えてみて、ミュージカル映画の「オズの魔法使」では原作とどう折り合いを付けているのかに興味がわき、DVDを買ってきました。こちらも楽しんで観てみようと思います。メルヘンシアターにもまた観に行きますよ!

HELLO KITTY BLACK WONDERのブロガー招待には外れたようなので、ここに書けるかどうかはわかりません。諸国漫遊記もシナモンタウンも一回も入ったことがないダメゲストなもので。

ここまでお読みくださった方、どうもありがとうございました。

ハローキティとオズの魔法の国・その5

オズの魔法の国の感想第5弾です。

2006年のくるみ割り人形の上演が始まるときは「キティが初の男装を披露!」みたいなことが喧伝されていたような記憶がありますが、今回は「くるみ割りに引き続き今回も宝塚スタッフが…」的な話のほかは特に宝塚っぽさを強調する事前情報がなかったように思います。

今回は“初”の男装ではないという事情もあるでしょうけど、劇中でも男性の声は男性が演じているあたり、意図的に宝塚色を弱めているんでしょうか。でも前作同様のレビューがあります。構成はくるみ割り人形とほとんど同じです。きっと様式としてこのように決まってるんでしょうね。

以下写真です(大きいの1枚だけ)。



写真の選定に苦労するのでレビューはコラージュでお茶を濁すことにしました。ちっちゃすぎてわからないかもしれませんが、いろいろな人が出演されています。

2009年4月21日火曜日

ハローキティとオズの魔法の国・その4

サンリオピューロランドで上演中の「ハローキティとオズの魔法の国」の感想第4弾です。

キティが最初に手に入れる魔法の銀の靴は、原作ではそのものずばり好きなところに運んでいってくれる靴です。ただ、ドロシーは、それが魔法の靴らしいことこそ知ってはいますが、その具体的な能力や使い方(かかとを三回たたく)は知らずにいます。あとになってからカンザスに帰る手段は最初から手に入っていたことが明らかになるわけです。「欲しいものは人からもらう前に手に入れていた」というのは旅の道連れ三人と一緒ですね。ちなみに原作ではオズもその使い方を知らず、紆余曲折の末ついに南の魔女・グリンダがドロシーに教えてくれます。

一方、ピューロ版ではこの靴はもうちょっと便利そうな「願いがかなう靴」として出てきます。キティはマンチキン国でその靴をもらうときに、はじめからそのことを聞かされており、すかさず家に帰るために靴を使おうとして失敗します。オズは結局魔法使いではなかったわけですが、この靴の使い方はよく知っていて、失敗したときになにが欠けていたかをキティに歌い聞かせ、クライマックスシーンとなります。

この前後の市村正親さんのしゃべり声と歌声がすばらしいです。公式サイトでの「市村正親さんがオズ役に決定」という発表は、目にしていながらまったく読み流していたんですが、ビデオ録りしたときの音声を聴いていて「いい声だなぁ、そういえばこれが市村正親さん? ああ、あれって大ニュースだったんだー」と逆順にたどって納得。これを聴くためにメルヘンシアターに入ってしまいそうです。

以下写真です。エンディングまで行くのでご注意。


わしは、わしは…メガネ屋じゃ

いろんなものを持っているのね

マンチキンで試したけどダメだったの

さあキティ、祈りを込めてかかとを三回たたくんだ

いち!

に!

さん!

愛する家族のもとへ…!

2009年4月20日月曜日

ハローキティとオズの魔法の国・その3

オズの魔法の国の感想第3弾です。すでに写真は上げていますが今回から文面でもネタバレしますのでご注意。

すでに上げた写真の通り、ピューロ版の「オズ」にもかかし、ブリキの木こり、臆病なライオンがみんな出てきます。「準備編」でもちょっと書きましたが、原作ではエメラルドのみやこへの道中や西の魔女退治は微グロありの結構な難行で、道連れのみんなの知恵や勇気を裏付けるいろいろなエピソードがはさまっています。

ライオンが仲間を背に乗せて谷を飛び越えるシーン、怪物カリダスから逃れるためにかかしがアイデアを出し、木こりが丸木橋を造り、そこにライオンが留まって仲間を助けようとするシーンなどの名場面もあって、ストーリー面でもそれらが終盤のオズの「きみたちはもうそれを持っている」という台詞に説得力を持たせています。

残念ながらというか、ピューロ版ではそういったエピソードはほとんど省略されていて、あっという間に目的地に着いてしまいます。小説には不可欠な肉付けでも、時間を食うわりに物語が進まないということで舞台や映像にする際には真っ先にカットされてしまうんでしょう。犬のトートーも、いろいろと話の展開を遅らせる役回りなので出すに出せないのかと。

その代わり、ピューロ版には原作にない歌とダンスがあってミュージカルとしての楽しみがあります。特にエメラルドのみやこと西の魔女は原作からかなりアレンジされています。エメラルドのみやこは「エメラルド・シティ」というロケンロールな町になっています。竜巻はカンザスからはるかメンフィスあたりにキティを飛ばしてしまったようです。Google Mapsで見たらカンザス・シティからメンフィスまではおよそ600km。そりゃ携帯も圏外になろうというものです。

西の悪い魔女は原作では名前も出てこないちょい役で、スパイ用メモなみに簡単に退治されてしまうのですが、ピューロ版のデビリーヌは召使いたちを困らせるお取り寄せジャンクフード中毒のおばさんで、「私の食べたことないジャンクフードもってこい」的な持ち歌を聴かせてくれます。テンポに緩急ありのミュージカルらしい楽しい歌です。もっとも、デビリーヌもさらっと退治されてしまいますが。

以下写真です。


エメグラ外すなよ

このシーンの写真を集めるだけで楽しめそうです

「オズ様は願いのかなえ方を教えてくれるってマンチキンが」

ジャンクフード持ってこいなデビリーヌ

「つばさのある恐ろしいサル」がモデルと思われるデビリーヌの家来ジャンキーモンキー

なんとなくディズニーリゾートのステージを思い出します

ハローキティとオズの魔法の国・その2

オズの魔法の国の感想第2弾です。

ピューロランドはしばしば「ハズレがない」ことを売り文句に使います。当たり前過ぎておおっぴらにうたってはいませんが、ピューロランドのショーで使われる音楽もその一つです。

以前、お気に入りのショーの終演が決まってから新しいショーが始まるのを待つまでの時期は「前のショーの音楽が好きだったんだけど今度のはどうだろう」などと不安に思ったりしたものです。でも「前のも良かったけど今回のも良いね」という経験を何度かするうちに、すっかり安心して楽しみに新しいショーを待てるようになり、今観られるものを楽しむというスタンスが身についてきた気がします。

オズの魔法の国にも期待通り楽しい音楽がたくさん使われていました。初見で印象に残ったのが、黄色いレンガの道を歩くシーンに繰り返し流れる「イエローロード イエローロード」という楽曲と、序盤で歌われるマンチキン国の歌の2曲。イエローロードのほうは昔の映画音楽のようなアレンジでとても楽しいです。マンチキン国のほうは女性の声楽家の方が3人も声の出演をしていて歌唱でも聴かせてくれます。

以下写真です。


エメラルド・シティへ!


ブリキの木こりさんよ!

私たち、エメラルド・シティへ行くところなの!

私たちと一緒にオズ様のところに行って勇気の作り方を教わったらいいのよ!

「ここはエメラルド・シティですか?」「きまってんじゃん」

「その靴、どこで手に入れたの?!」

2009年4月19日日曜日

ハローキティとオズの魔法の国・その1

サンリオピューロランドで2009年4月13日に始まった新演目「ハローキティとオズの魔法の国」をようやく観てきました。ピューロランド公式サイトのブロガー招待に当選しての観劇です。公式サイト以外にもあちこちで招待券プレゼントをやっていたようで、ちらほらと写真も出ているようですね。私も遅ればせながら何回かに分けて感想のようなものを書いていきます。

とりあえず第一報。くるみ割り人形も良かったけどオズの魔法の国も楽しいです。次回以降はストーリーや演出に触れていきます。

以下写真です。


誕生日のプレゼントは携帯電話

ダニエルからは絵本のプレゼント。壁の絵に見覚えが

ミミィと交換した「オズ」を読んでいるうちに…

竜巻でマンチキン国へ

マンチキンはたくさん出てきます

2009年4月18日土曜日

ハローキティとオズの魔法の国・準備編




4月13日の初日以降、アクセスカウンターの回りが早くなった気がします。公式サイト以外にもあちこちで招待券プレゼントをやっていたようでちらほらと写真も出てきていますね。検索で見に来ていただいた方、どうもありがとうございます&すみません。数日中には感想を書けそうです。

「オズの魔法使い」は小学生のころに読んだことがあります。とはいっても竜巻で飛ばされてー、とか布で作ったハートをブリキの人形の胸に入れてーとか、犬の名前はトートーだったような…程度の断片的な記憶ばっかり。ピューロランドのショーに限って、なにか予備知識がないと楽しめないということは考えられないのですが、せっかくなので予習。最初の一回くらいはまっさらな気持ちで「ああそうだっけ」と観るのもありだと思いますが、かなり詰め込み気味の展開らしいので先にストーリーを把握して補完しながら観る計画です。

ピューロランドの特設サイト内にも原作のあらすじの紹介がありますが、古本屋で子ども向けのを105円で買ってきて読み直しました。30分もあれば読める長さですが細部はかなり忘れてました。これで準備は完璧です。次回は実際に観にいった感想を書く予定です。

以下は、原作を読んで思い出したことのメモです。原作の(そしてひょっとするとピューロ版の)ネタバレをしているのでご注意。
かかしの存在
すっかり忘れていました。旅の仲間は脳みそがほしいかかし、心臓がほしいブリキの木こり、勇気がほしいおくびょうなライオン。いかだをこぐ竿が川底に刺さっちゃって取り残されちゃうシーンとか。挿絵に見覚えがあるような気がするので私が読んだのと同じ本かも。何しろ奥付が昭和…。
ブリキの木こりの身の上
呪いを掛けられて、ことあるごとに斧が手からすっぽ抜けるようになってしまった。そのたびに手や足を切り落とし、そのたびに腕の良いブリキ屋に治してもらった。あまり不自由ないけどときどき油を差さないと動けなくなる。ドロシーたちに出会ったときも、突然の雨に森の中で動けなくなって一年もそのまんまでいた。今読むとかなり壮絶な人生ですね。
微グロ
木こりは身の上もそうですが、西の国でバラバラにされちゃったりします。かかしも一行がハチにおそわれたときに自分の体のわらでドロシーとトートーとライオンを守ったり西の国でわらを引きずり出されちゃったりします。これはさすがにピューロ版ではないでしょうね。
魔法使いたち
一番力が強い(ことになってる)オズのほかに、東西南北それぞれに魔女がいる。北と南の魔女は良い魔女だけど東と西の魔女は悪い魔女。魔女が出てくること自体忘れていましたがそれぞれに役回りがありました。東の魔女はドロシーの家の下敷きになって死に、魔法の銀の靴を残します。北の魔女はカンザスへの帰り方をオズ大王に聞くためエメラルドの都に行くドロシーを祝福します。西の魔女はカンザスに帰る方法をオズから教わるためにドロシーに退治され、南の魔女は最終的にカンザスへの帰り方を教えます。公式サイトのキャスト紹介でデビリーヌという名前で出ているのはきっと西の魔女ですね。私が読んだ原作本では一つ目の魔女としか書かれていません。名前が出ている魔女は、南のよい魔女グリンダだけです。
魔法の銀の靴
かかとを三回打ち鳴らして行きたい場所を唱えるとそこに行ける。ストーリー上とても重要なアイテムだし、その使い方も印象に残っておかしくないはずなんだけど「かかとを三回」以前に存在すら忘れていました。
そのほかの細かいストーリー展開もほとんど忘れていました。オズに命じられて西の国に向かい、力を合わせて西の魔女を退治して帰ってきた四人に向かって、正体がばれてしまったオズが(ドロシーが帰る方法を除き)「きみたちはもうほしいものをすでに持っているじゃないか」と言うのですが、それをきちんと裏付けるエピソードが随所に散りばめられていました(さらに言うとドロシーも実は物語の最初で手に入れていたわけですが)。

小学生のときはそういう意味づけは完全に読み飛ばしてたんでしょうね。魔法の道具の使い方といい、過不足なくパズルのピースがかっちりはまるような、いまどきの小説の緻密なストーリー展開になれてしまうとちょっと散漫な感じもするのですが、原作本の巻末解説を読むと刊行は1900年秋だそうです。109年も昔のお話ですから仕方ないです。

で、ピューロ版。キティはドロシーの役回りでしょうからトートーはひょっとしてチャーミーキティ? なんてことを一瞬思いましたが、公式サイトにはチャーミーが出るとは書かれていないので、たぶんキティ一人でオズの国に行くんでしょうね。楽しみです。

では後日。

2009年4月12日日曜日

ピューロランドのブロガー招待

ピューロランドの新演目「ハローキティとオズの魔法の国」を観に行ってブログを書こうキャンペーンは、八王子経済新聞の記事によると3月22日募集開始のところ3月24日時点の広報談で「180人を超える応募がある」とのことでした。さすがにその後はペースが落ちたでしょうが10日間で300~400人くらいは応募があったかもしれません。

ピューロランドのことしか書いてないここみたいなブログよりも、むしろ日常をいろいろつづっているブログのほうで取り上げてもらいたいでしょうけれど、私が当たったということはちゃんと抽選してるんだなぁと妙に感心していしまいました。ということでBLACK WONDERのブロガー招待にも期待します。

2009年4月10日金曜日

Someday III~光の世界へ・その3


Someday IIIでもう一人、姿を見せないけれど大きな存在感を示すのがマリアの母です。ヒロインのマリアは光の妖精。死別したマリアの母は雪の妖精。フェアリーランドの妖精は世襲制らしいのですが、マリアの母からマリアを託された王様がマリアを光の妖精として育てたために雪の妖精の家系は途絶え、それきりフェアリーランドには雪が降らなくなった、というお話。私は「そうそう。雪は降らないんだよね」と毎回この引っかけに遭いに行ってるようなもんです。

重要なのでもう一回。フェアリーランドには雪が降りません。

写真●サビの抑え気味のメロディラインと、そのリフレインが大好きです

2009年4月9日木曜日

Someday III~光の世界へ・その2

Someday IIで活躍したアレグロとバラードはSomeday IIIには出演こそしませんが、後半のカノンとソナタのデュエットの中には、「水がおどり 風がささやく」という歌詞があり、それに合わせて、ほんの一瞬だけ二人の存在を感じさせる演出があります。今でもこのシーンになると、つい上のほうを見てしまいます。

Someday IIとのつながりがもうひとネタあります。東の国との対立の真相が明らかになって問題が解決に向かい始めるとき、空にかかった虹を見てカノンとソナタが「きっといいことがあるわ」と会話するシーンがあります。きっとSomeday IIの「夢の中へ」でカノンとソナタがフェアリーランドの行く末を案じつつ「いつかは空にきぼうの虹がかかるでしょう」と歌っているのを受けた演出なんでしょうね。「夢の中へ」は6人の掛け合いのため、ライブでは歌詞を断片的にしか聴きとれないでいましたが、Someday IIのDVDの字幕を見て気づきました。

写真●虹の写真がないのでヒーローの写真で

2009年4月8日水曜日

Someday III~光の世界へ・その1

Somedayシリーズの完結編がこの「Someday III~光の世界へ」です。Someday IIと同じくピューロランド内のフェアリーランドシアターで2008年6月から上演しています。Someday IIIではSomeday IIで提示されたいくつかの謎の真相が明らかになり大団円を迎えます。が、実際のところSomeday IIを観ていなくても歌とダンスで十分に楽しめます。

Someday IIIで新しく登場するキャラクターが、敵国「東の国」からフェアリーランドに潜入した嵐の妖精・ロックです。お話のうえでは「ロック=かっこいい」ということになっていますが、かわいい感じが勝ってしまうというのが正直なところ。登場してすぐにロックのソロがありますが、この曲は別の曲に差し替えてもよいのではないかと思っています。Someday IIのときも一部の曲と演出の変更があったので半ば期待。ロックを男性が演じたらどうなるだろう、というのもときどき妄想しますが、あまりかっこよすぎると主役のニコルを食いかねませんね。

写真の「後ろ後ろ!」なシーンではのりの良いお子様が見に来ているとちょっとした騒ぎになります。

写真●しむらー!

2009年4月7日火曜日

Someday II~ペンダントの謎・その3

Somedayシリーズでの出演者の台詞と歌はライブです。それがこの演目の魅力の一つになっています。カノンとソナタはストーリー上は脇役ですが、毎回美しいデュエットを聴かせてくれます。ニコルとマリアのデュエットももちろんあります。

私が好きな曲は、6人がそれぞれの思いを歌う「夢の中へ」です。毒で眠りに落ちたメロディとクリリンを包み込むマリアの歌に、半人前ゆえの不安を抱えたまま薬草を穫りに飛び立ったアレグロの歌、そのアレグロの身を案じるバラードの歌が重なり、さらにニコルとカノンとソナタが加わります。別々の歌が一つになっていくところがたまりません。またいつか生で聴きたいものです。

ピューロランドの公式サイトをのぞいていたら、エンターテイメントホールで4月25日にオープンする「HELLO KITTY BLACK WONDER」を観てブログを書こうキャンペーンも始まっているのを見つけました。泥縄ですが結構書いたと思うのでこっちも遠慮なく応募することにしました。

写真●三部作を通して脇を固めるカノン(右)とソナタ(左)

2009年4月6日月曜日

Someday II~ペンダントの謎・その2

主役のニコル&マリア、サブのカノン&ソナタ、そしてメロディとクリリンは三部作を通じて出演しますが、アレグロとバラードはSomeday IIにしか登場しないゲストキャラです。三部作を貫くニコルとマリアの恋の物語をむやみに進展させられないこともあってか、このSomeday IIはアレグロの成長の話がメインに据わっています。第1部を観ないままSomeday IIから入った私は長らくこの二人が主役だと信じていました。

冒頭の曲「レッスン」にSomeday IIを読み解く鍵があります。レッスン前半はカノンとソナタによる講義、後半はワルツに乗せてバラードとアレグロの実技です。実技パートではバラードが水の妖精であること、アレグロが風の妖精であること、ただしアレグロはまだ半人前の妖精であることが明かされます。

物語の中盤で、アレグロはクリリンとメロティを救うため「半人前のあなたには無理」と引き留めるバラードを振り切って敵国「東の国」に飛び立ちますが、使命を果たせずに重傷を負って戻ってきてしまいます。結局クリリンとメロディは、突如謎に包まれたパワーを発揮したニコルが救います(その謎の真相はSomeday IIでは明かされません)。ところが、怪我から快復したアレグロはいつのまにか、魔法一つで風がそよぎだす立派な風の妖精になっています。

なぜか? その答えのヒントが「レッスン」で何度も歌われています。このようなわかりやすい謎かけはとても楽しいものです。

写真●レッスンを受けるアレグロ(左)とバラード(右)

2009年4月5日日曜日

Someday II~ペンダントの謎・その1


Someday三部作は、サンリオピューロランド内でくるみ割り人形を上演していた(=2009/4/5まで。2009/4/13から「ハローキティとオズの魔法の国」が始まる)メルヘンシアターから徒歩15秒くらいのところにあるエンターテイメントホールから、さらに徒歩25秒くらいのところにあるフェアリーランドシアターで上演しています。「フェアリーランド」は妖精が棲む森。座席の周りの草花にも妖精がいます(本当)。

現在上演しているのは三部作の完結編である「Someday III~光の世界へ」です。第1部と第2部はたまにメルヘンシアターでビデオの上映があります。これを見たほうがストーリーのつながりははっきりしますが、予備知識なしにいきなり第3部を観ても問題ありません。第3部冒頭には前説的にあらすじ紹介がありますし、以前のストーリーがわかっているかどうかは、この演目を楽しめるかどうかとはあまり関係がないように思います。私も初めて観たのは2008年6月までやっていた第2部「Someday II~ペンダントの謎」で、第1部はDVD-BOXが出てから(つまりSomeday IIIを観たあとに)観ました。

写真●主役の二人、ニコルとマリアにコロコロクリリンとマイメロディ

2009年4月3日金曜日

ピューロランドの招待券きた!

「ハローキティとオズの魔法の国」を観にいってブログを書こうキャンペーンの招待券が届きました!

ありがとうありがとう。

ちゃんと観にいって書くよ! 初日の4/13は使えないチケットなんだけど行っちゃおうかな。

ひとまず感謝を込めてSomedayの感想でも書くか。私はにわかなのでSomeday IIからね。

2009年4月2日木曜日

海のメルヘン・その3


海のメルヘンはクラシック音楽がふんだんに使われています。公式サイトでは下のような曲を使っているよ、と公表されています(実際にはこれ以外にも使われている曲があります)。


エルガー「愛のあいさつ」
サン=サーンス「交響曲第3番第2楽章」
シューベルト歌曲集「白鳥の歌」より「セレナーデ」、「アヴェ・マリア」
シューマン「トロイメライ」
シュトラウス「美しき青きドナウ」
ショパン「小犬のワルツ」、「別れの曲」
チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番 」、「くるみ割り人形」より 「トレパーク」
ドビュッシー「アラベスク」
フォーレ「シチリアーノ」
ベートーベン「運命」
ホルスト「惑星」より「木星」
ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」

ピューロランドの音楽はオリジナル曲もとても親しみやすいものばかりなのですが、やはり長い年月を生き残ってきたクラシックの底力はすごいです。クライマックスの、アヴェ・マリアがかかるシーンは、何度見てもじんわりと涙ぐんだりします。

写真●再演時の写真です。真ん中がもう一人の主役「マリー」

2009年4月1日水曜日

海のメルヘン・その2


海のメルヘンの主要な登場人物は3人。それぞれダブルキャストなので、8通りの組み合わせがあります。台詞や歌は生なので、顔合わせの微妙な違いも楽しめます。2007年12月~の初演期間の途中から出演予定が公表されるようになり、日取りさえ合わせられれば好きな人を狙って観ることができるようになりました。私は行き当たりばったり。

サンリオ・キャラの出演はなく、役者さんもパレードや他のシアターには出ていません。ただし、このシアターでの上演期間後にピューロランドのほかのショーに出演されるようになった方が複数いらっしゃいます。また、さまざまなアクロバットを見せてくれる雑技団/歌舞団の方の中には、もともとディスカバリーシアターやメルヘンシアターでの演目に出ていた方もいます。

写真●「エアリアル・シルク」というアクロバットです